前回の体験談①【トラブルの始まり】」からの続きです。
この頃は、私は、「もしかして向こうは、誰かが苦しんでいることがまったく想像ついていないのかもしれない。さりげなく伝えれば気付いてくれるかも…」と思っていました。
やんわり抗議するも無視
タバコの煙も熱中症も困るので、最初は、窓を閉める時に、少し勢いよくレースのカーテンをシャッと閉めてみました。
もし私が迷惑をかけている立場だとしたら、これでピンとくると思ったからです。
しかし、音に気付いたのかどうか分かりませんが、全く何の変化もありませんでした。
もう少し強めに抗議
隣のご主人は、個人で建設現場の左官仕事を請け負っていると以前に聞いたことがありました。
「1人親方っていうやつなのよ」
と奥さんはおっしゃっていました。(奥さんはお勤めで、毎日朝から出勤されています)
仕事が忙しい時は朝早くからトラックで出ていくのですが、いったん仕事が途切れると1か月以上毎日家にいることも珍しくないようでした。
当初はそんなことはまったく気にしていなかったのですが、ベランダ喫煙が始まった時期からは、外を見てトラックが停まっていると、「ああ、今日も隣は在宅なのか…」と憂鬱になったものです。
部屋にいると、隣のベランダが開く音がして、「ゲホッ、ゲホゲホ」と咳き込む声が響きます。
明らかに吸っている本人も肺の調子が悪いはずなのに、タバコはやめられないのですね。
その後30秒ほどで、タバコの煙が家に入ってきます。
「ゲホッ、ゲッッホ」が聞こえると先に窓を閉めるようにしていたのですが、ベランダから離れた部屋や洗面所などにいると間に合いません。
そうなると、その後急いでベランダ側の窓を閉めても、各部屋に充満したタバコの煙は出ていってくれず、吸い終わった頃を見計らってベランダ側の窓を開けると、やっと空気の通り道ができて換気されるのでした。
毎日のようにそんな生活をしているうち、だんだん情けなくなってきて、ある日、かなり強くバーンと窓を閉めてしまいました。
さりげないサインで気付いてくれたら波風立てずに済む…と願っていたはずなのに、自分の荒っぽい行動にヒヤッとしました。
しかし、その後も相変わらず一日中喫煙は続き、まったく変化はありませんでした。
さらに強めに抗議
ある日、洗濯物を干していた時、いつものように隣のベランダが開き、「ゲホッ!ゲッッホ!」とひとしきり咳き込んでから、タバコの煙が流れてきました。
それまでも、時々そういうことがあったのですが、いつも息を止めて部屋に戻ったり、鼻をタオルで覆いながら洗濯物を干したりしていました。
ただその日はたまたま洗濯カゴがふさがっていて、片腕に何枚も洗濯物を持ち、反対の手で干していたので、口や鼻をふさぐことができず、私はもろに煙を吸い込んでしまい、止める間もなく「ゲホゲホ」と咳き込んでしまいました。
すると、「ちっ」という感じで、ガラガラ・ピシャ!!と隣人は喫煙をやめて部屋に戻っていきました。
「うわ~、(偶然とはいえ)けっこう思い切り抗議してしまった」と思ったと同時に、これで迷惑だということが分かってもらえたかも…と、内心少しホッとしていました。
しかし…
20分後、何も変わらず喫煙が始まり、また同じように一日中続いたのでした。