今回は、「日本人の喫煙率は減少傾向」とはいうものの、30代~40代の男性に限ると約40%も喫煙者がいるというデータを紹介します。
「平成29年 国民健康・栄養調査」によると
厚生労働省が発表した「平成29年国民健康・栄養調査」レポート内に、日本人の喫煙の状況が掲載されています。(28ページより)
◆参考URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf
現在習慣的に喫煙している者の割合は 17.7%であり、男女別にみると男性 29.4%、女性7.2%である。この10年間でみると、いずれも有意に減少している。年齢階級別にみると、30~40歳代男性では他の年代よりもその割合が高く、約4割が習慣的に喫煙している。
テレビ・映画の中でも、喫煙者が多い印象
現在、テレビCMでは喫煙シーンやタバコそのものが映ることはなく、ひと昔前はJ-POPの歌詞にもタバコが登場するものが珍しくありませんでしたが、最近ではすっかり減ってきています。
しかし管理人(40代)の子ども時代は、テレビCMやドラマの中で、渋くキメた俳優がタバコをくわえるシーンは当たり前でした。
赤い口紅やハイヒールが大人の女性を象徴するように、タバコは大人の男性を表す記号の一つだったのでしょう。
ちなみに、アメリカではタバコの健康被害による保険料を削減するために国をあげて禁煙の方針を打ち出しており、子どもの目に触れるテレビ番組では喫煙シーンは一切許可されていません。
自分で観る・観ないを選択できる映画に関しては喫煙シーンはOKで、実際によく使われています。
ただ、2016年の世界保健機構(WHO)調べによると、アメリカの喫煙者のうちタバコを吸い始めたきっかけを「映画やドラマで見て」という人が37%もいたのを受け、喫煙シーンが含まれる映画を「成人指定」にするという勧告が出されています。
ちなみに日本では、喫煙のきっかけは「友人」が52.9%で、映画やテレビの影響という人は5.8%しかいないそうです。
それでも、現在喫煙シーンが登場する有名な漫画(アニメ)では『ワンピース』のサンジ、『銀魂』の土方十四郎などがいますが、いずれも作者は30~40代の男性。
また、2017年上半期「日本Amazonランキング大賞」プライム・ビデオ総合部門1位となった『どきゅメンタル』では、30代~40代男性人気お笑い芸人が多数出演していますが、彼らの多くが収録中立て続けにタバコを吸っていて、地上波の番組では決して見せないヘビースモーカーの姿に驚かされます。
やはり、子ども時代に見た「タバコを吸うカッコいい大人」というイメージは、無意識に強く残っているのではないかと思ってしまいます。
30代~40代の喫煙者、職場や家ではどうしている?
30代・40代と言えば、一般的には働き盛りです。
結婚して、小さい子どもがいる家庭も多いことでしょう。
職場や家での喫煙状況はどうなっているのでしょうか?
今回の厚生労働省調査結果には、喫煙者本人がどこでどのように喫煙しているかは記載がありませんが、受動喫煙の状況については以下のように述べられています。
自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う機会(受動喫煙)を有する者(現在喫煙者を除く)の割合について場所別にみると、「飲食店」では 42.4%と4割を超えて最も高く、次いで「遊技場」では 37.3%、「路上」では 31.7%、「職場」では 30.1%といずれも3割を超えている。
飲食店や遊技場は個人で行くか行かないかを選べますが、職場は出社する/しないを選ぶことができないのにもかかわらず、30%以上も受動喫煙の被害があることに驚きます。
そして、数は少ないものの、家庭での受動喫煙もまだ7.4%存在しているとのこと。
このデータは20歳以上を対象としたものですが、子どもは家族と一緒に住んでいることがほとんどですから、まだ家の中で煙を吸わされている子が何%かいることは間違いなく、健康への影響が非常に気がかりです。
では、ベランダ喫煙は?
ところで、30代~40代男性で40%もの喫煙者がいるのに、家庭内の受動喫煙が7%台ということは、彼らは帰宅後は一切タバコを吸わないのでしょうか?
私は喫煙者ではないので想像ですが、家に帰ってリラックスしたら喫煙したくなるのではないのでしょうか?
しかしこの年代では小さい子どもがいることも多く、そうなると、庭やベランダで吸う人は多いのではないかと思います。
厚生労働省のデータに、「隣人の吸ったタバコが家庭内に流れ込んできたための受動喫煙」という項目は存在しませんが、私は決して少なくないと思っています。
おわりに
今回は、日本人で30代~40代の男性に喫煙者が突出して多いというデータを紹介しました。
管理人の家族・知人には、その年代でもほとんど喫煙者がいないので、そんなに多いことが意外でしたが、たしかに隣家の喫煙も40代男性によるものでした。
個人的な推察では、やはり子ども時代のテレビなどのイメージは関係があると思っています。
表現の自由はもちろん尊重されるべきですが、できるだけ、子どもの見る番組では喫煙するキャラクターを登場させないでほしいと願います。